対面バドザシミミスタン【葉桜杯夏の陣優勝・ポケリーグオフ8強】
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はじめに
どうも、青井くじらです。今回は葉桜杯夏の陣やポケリーグオフ、一定期間のランクマで使った構築の記事です。直近シーズンは別構築も使って結果を出せなかったのですが、割と長い期間使ったり、オフで結果を出せたりして愛着が湧いた並びなので、思考過程の整理・言語化の練習と記念の意味を込めて筆を執ることにしました。完全に自己満の記事ですが、よければ見てやってください。
使用したオフのオフレポも是非。
葉桜杯夏の陣 オフレポ - くじらの寝床
POKE LEAGUE -offline-#2 オフレポ - くじらの寝床
※9/2 追記 シーズンの表記を全て2か月間違えていたので訂正しました。
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構築経緯
S30で結果を出した構築は自分が苦手なサイクルに寄った構築が多かったが、いなポケさんの黒バド+ザシアン+ミミッキュが対面構築で自分に合いそうだと思ったのでレンタルを回してみた。
(掲載許可頂きました。ありがとうございます。)
使ってみたところ、
・基本選出として汎用性が高くパワーも十分
・メタモンに最低限の抵抗力があるため選出が歪まない
・がのいずれとも攻撃範囲が少しかぶるため、対面駒でありながらも崩しとして有効
・がいずれもダイマでも非ダイマでも最低限の性能があり、ダイマ権の融通が利きやすい
・の優秀な数値、の襷、の化けの皮と3匹とも行動保障があり、は素早さが高く、は先制技があるためゲームを組み立てやすい
といった要素が強く、この3匹から考えることにした。
バドザシミミでは、バドが投げられないときに相手のザシアンとメタモンに対するケアが薄いこと、対面的にバドを止めてくる駒(etc)が若干重いことから、原案と同じくアッキサンダーを採用。
ここまでの4枠はずっと固定していた。
【S31】
S31では、イベルタルが若干重いこと、カイオーガに最低限の抵抗力があること、受け駒の選出をできるだけ抑制したいことなどから、HD脱出パックバンギラス+砂かき鉢巻ウオノラゴンを採用した。
S31の並び→(最終139位)
【葉桜杯夏の陣】
は固定。
イベルタルに弱くなく、取り巻きの伝説()にも通せること、電気の一貫を切れることを評価してチョッキランドロスを採用。
カイオーガの一貫を切れることと、ラキヌオーに対して抵抗力があることを評価してHDナットレイを採用。
葉桜杯夏の陣の並び→(優勝)
【S32終盤・ポケリーグオフ】
は固定。
は隙を見せるポケモンが多く、介護を要する場面が多いと感じたので対面構築である本構築とは相性が今一つと感じ、一部の黒バド受け+ザシアン受けに対して解答が薄いことが葉桜オフで顕在化したので解雇。
バド受け+ザシアン受けに対して崩しを行え、カイオーガに対して最低限の抵抗力を持つウオノラゴンを採用。
S32・ポケリーグオフの並び→(S32最終宇宙、ポケリーグベスト8)
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個別解説
S31でラスト2枠に採用した脱出バンギ+砂かきノラゴンは納得していないため省略。
黒馬バドレックス@気合のタスキ
性格:臆病
特性:人馬一体
実数値:175-x-101(4)-217(252)-120-222(252+)
技構成:アストラルビット / サイコショック / マッドショット / 悪巧み
調整意図:・CS振り切り
伝説枠その1。
拘りアイテムを使うのが下手なのもあり、襷での採用。
技は、確定の「アストラルビット」、ラッキーに対してストレスフリーに戦いたいため「サイコショック」、コピーザシアンを止め、ガオガエンにも通せる「マッドショット」、全抜きや崩しを狙う「悪巧み」の4つ。
ダイマする選択肢を持つポケモンではあるが、非ダイマでの最大値が非常に高い点が優秀だと感じた。
黒バドを対策できるポケモンは選出段階で見えやすく、かつ選出されるため、相手の黒バド対策枠を見極めて選出するかどうかを判断していた。ポリ2やガオガエンに対しては黒バドを通しにいったり黒バドで崩したりする展開が十分見込める。バンギブラッキー辺りは無理なので選出せずに腐らせるか、ミミッキュやウオノラゴンでの崩しを狙う。
ザシアン@朽ちた剣
性格:意地っ張り
特性:不撓の剣
実数値:199(252)-217(60+)-136(4)-x-136(4)-192(182)
技構成:巨獣斬 / インファイト / ワイルドボルト / 電光石火
調整意図:・HAB:コピーザシアンの巨獣斬が乱数46.1%
・S:最速エースバーン抜き抜き
伝説枠その2。黒バドレックスと合わせた技範囲が優秀で、非ダイマでの性能が頭一つ抜けている。
技は、対面性能を最大限高める「巨獣斬」と「電光石火」に加え、黒バドで重いホウオウとポリ2に対する打点を優先して「インファイト」と「ワイルドボルト」を選択。「じゃれつく」は、打ちたい相手に対する打点が取り巻きで足りていることと、メタモンをサンダーで受けられるようにしておきたかったことが理由で、上記の技に比べて優先度が低いと判断し、採用を見送った。
当初はHAで回してみたものの、ミミッキュがザシアンに弱いためザシアンミラーで負けると試合の負けに直結しやすいこと、初手のメタモンとの対面で事故ること、エースバーンが重いことから、いなポケさんの原案通りの上記の配分に変更。構築単位であまりにもスカーフカイオーガが重いため、HDでの採用も検討したが、ザシアンミラーで弱くなり、有象無象のザシアン入りに対する勝率が落ちそうだったので見送った。
耐久と素早さが高く、無償突破されることが少ないため、初手に出してゲームを組み立てやすいのが偉かった。
このポケモンを雑に扱ってから裏のポケモンを通す動きができると強かった。
ミミッキュ@命の珠
性格:意地っ張り
特性:化けの皮
実数値:131(4)-156(252+)-100-x-125-148(252)
技構成:じゃれつく / ゴーストダイブ / 影うち / 剣の舞
調整意図:・AS振り切り
命の珠枠にして本構築の軸。
コピー黒バドに対して切り返せる性能を持ちつつ、黒バド受けに強く裏のザシアン受けにも一貫する崩し性能と対面性能を両立できるポケモン。
技は、威力優先の一致打点「じゃれつく」「ゴーストダイブ」、先制技の「影うち」、火力増強の「剣の舞」の4つ。
S種族値96とフェアリー+ゴーストの技範囲が非常に優秀で、ザシアンがいない構築に対してはこのポケモンが刺さって結構勝てた。ザシアンに対しては隙を見せやすいが、電光石火が無効で一定の仕事ができ、A+2影うち+(ダイマバドの攻撃or巨獣斬)でザシアンを縛れるので、ザシアン入りにも出していける。
ダイマックスしていても特に物理方面の耐久が心もとないので、HP管理とダイマのタイミングには注意を払っていた。
葉桜オフでも大活躍してくれた最高のポケモン。配信卓(準決勝2戦目と決勝)では強みがよく出ているのでぜひアーカイブをご覧ください。
→葉桜杯- 夏の陣- 決勝トーナメント - YouTube
サンダー@アッキのみ
性格:図太い
特性:静電気
実数値:197(252)-x-150(252+)-145-110-121(4)
技構成:放電 / 暴風 / 身代わり / 羽休め
調整意図:・HB振り切り
ザシアンや対面的にバドを止める相手に強く、サブのダイマックスエースとして運用できる駒。
技は、ダイジェット媒体の「暴風」、追加効果が優秀な電気技の「放電」、補助技をシャットアウトしつつ低火力ポケモンや麻痺したポケモンに詰ませを狙え、相手のダイマ枯らしもできる「身代わり」、回復ソースの「羽休め」の4つ。
ザシアンに後投げしても引かれて2サイクル以降に崩されてしまうため、死に出しでダイマックスを強く使うことを意識していた。
葉桜オフの準々決勝では、不利構築相手に覚醒してチョッキバンギを2回突破してくれたMVP。
ナットレイ@食べ残し
性格:生意気
特性:鉄のトゲ
実数値:181(252)-114-152(4)-x-184(252+)-22
技構成:ジャイロボール / パワーウイップ / 叩き落とす / 宿木の種
調整意図:・HD振り切り ・最遅
カイオーガに受けだせ、ラキヌオーにも強いことを評価して採用していた。
技は採用理由のカイオーガに対して十分な遂行速度を確保できる「パワーウイップ」、ザシアン等への打点でダイスチル媒体の「ジャイロボール」、ポリゴン2やラッキーに有効で黒バドに対する処理ルートともなる「叩き落とす」、回復ソースの「宿木の種」の4つ。
ザシアンに対して弱くなく、ダイマの選択肢も弱くないことは偉いが、サンダーなど隙を見せる相手が多く、引き先を用意しにくいこの構築とは噛み合いが悪いと感じたので解雇した。
ランドロス@突撃チョッキ
性格:陽気
特性:威嚇
実数値:165-197(252)-110-x-100-157(252+)
技構成:地震 / 空を飛ぶ / 岩雪崩 / 瓦割り
調整意図:・AS振り切り
地面の一貫切りかつ幅広いポケモンと撃ち合える性能があるポケモン。
イベルタルに五分以上に戦えるようにしたかったこと、バドザシにダイマで荒らす選択肢を持っておきたかったこと、ゼクロムの上をとりたいことから最速での採用。
技は、一致打点の「地震」「空を飛ぶ」に加え、命中が高い岩技の「岩雪崩」、ダイナックル媒体になり、一応壁構築に抗える「瓦割り」の4つ。
火力不足を感じる場面もあったが、非ダイマでも最低限の性能があり、補完枠的な存在でありながらも汎用性が高く選出の幅を広げてくれたポケモン。選出画面での存在感も◎で、葉桜オフ決勝ではこのポケモンが構築にいたことで勝利を引き寄せることができた。
ウオノラゴン@拘りハチマキ
性格:陽気
特性:頑丈顎
実数値:165-142(252)-121(4)-x-100-139(252+)
技構成:エラがみ / 逆鱗 / 噛み砕く / 眠る
調整意図:・AS振り切り
カイオーガに最低限の性能を持っている枠兼崩し枠。拘り持ちは扱うのが苦手だが、このポケモンだけは別(技選択の余地が少ないため)。
技は確定の「エラがみ」、ドラゴンに通る「逆鱗」、バドレックスにワンチャンつかめる「噛み砕く」、ダイウォール媒体兼TOD用の「眠る」の4つ。ダイナックル媒体の「けたぐり」も候補。ほぼ「エラがみ」しか打たない。
遅いカイオーガを考慮して最速としたが、ムゲンダイナに対する「逆鱗」やネクロズマに対する「エラがみ」のダメージを考えるとA特化でもよかったかもしれない。
バンギ絡みや低速サイクル、日ネクロズマに対する崩しを担ってもらった。採用前は構築単位で不利で葉桜オフでも負けた一部のバド受け+ザシアン受けに対してかなり有利をとれるようになったことや、スタンパのラキヌオーの選出を抑制しやすく選出を合わせやすくなることから、ナットレイよりは構築にあっていた(厳しい構築を減らせた)と思う。
ただ、カイオーガと同居しているザシアンに対して隙を見せやすく、選出をためらうことが殆どだったのでカイオーガ対策枠としてはあまり機能していなかった。
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選出・立ち回り
意識していたことは、
・相手の黒バド対策枠を見て選出とゲームプランを組み立てる
・ザシアン入り以外にはミミッキュのダイマックスを強く使う
・相手が黒バドやザシアンに対して引き先を用意しているサイクルの場合は、適切な崩し駒()を選出して崩す
の3点。
選出段階で相手のバドレックス対策枠を見極め、バドレックスを投げるかどうかから選出を組み立てていくのが基本。相手にメタモンがいる場合は最低限のケアができるようにする。結果的にはの選出が最も多かった。
以下、相手のバド対策枠とそれに対する選出・立ち回りで意識していたこと
…ミミッキュかウオノラゴンでの崩しを軸に考える。ザシアン受けかバド受けのどちらかを崩せればバドかザシアンのどちらかが通せる。ミミッキュが崩しにとどまらず相手をまとめて貫けそうな場合はバドを出さないことも。
…基本的にミミッキュと黒バドを同時選出。ミミッキュと黒バドの一方で削り、もう一方を通しに行く。ミミッキュの障害(ザシアン等)が削れていればミミッキュを、そうでなければバドを通す。ポリ2と対面する前にバドが悪巧みを積めた場合は引いてダイマを腐らせてから再展開したり、ダイマのタイミングをうまく合わせたりすることで強引にバドを通しに行くこともあった。
…ミミッキュとバドを同時選出が多い。ミミッキュの障害(ザシアン等)が削れていればミミッキュを通し、そうでなければ影うちでザシアンを削った後にダイアースの一貫を作る。後者の場合はなるべく相手に先にダイマを切らせる。場合によってはアッキサンダーで詰ませるルートも。
…取り巻きのザシアンを含めてアッキサンダーで有利をとれるので、ザシアンなどで相手の残数を減らした後にサンダーの後発ダイマで詰めることを心がけた。黒バドは投げないことが多い。
…黒バドは基本出さない(出せない)。イベザシに対する選出はザシアン+サンダー(相手のザシアン対策)+ミミッキュorランドロス。サンダーでザシアンに向かって先行ダイマを切って、身代わりでイベルのダイマターンを稼ぐか、ミミorランドのダイマを通す。選出の幅が狭いので取り巻き次第では相当厳しい。
…相手にいたらこちらの選出はザシアン+黒バド+ミミッキュ。他3体を投げるとジガルデに展開を許しやすいため基本的にはこれ以外投げられない。残飯ジガルデ入りはこの3体で何とかなる場合が殆どなので大体勝てたが、対応できない構築は無理(ポケリーグオフ準々決勝はこれで負けた)。
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重いポケモン・構築
・黒バドより速く、ザシアンをワンパンしてくるスカーフ枠全般(主に)
本構築は基本的に初手ザシアンで1ターン動いてから試合を組み立てる動きをとるが、それができないうえに無償で数的不利を負ってしまう上、切り返しも難しいため。
ちなみにカイオーガ入りはスカーフでなくても一部重い。
・珠ジガルデ
ジガルデは主にミミッキュで見ているが、珠ジガルデはこちらの準速ミミッキュより速いことが多いためテンポをとられやすい。
・イベルタル+メタモン+ムゲンダイナ
ちょっと前に流行ったアレ。普通にやったらまず勝てない。相手の初手はムゲンダイナなので黒バドを合わせる。相手視点ダイナは削られたくないからイベルタル引きするだろうの一点読みでイベルタルにザシアンを合わせる。相手は引けないので、イベルタルを巨獣斬で削り、襷バドの通り道を作る…というプレイングが成立すれば勝てる
正直半ば願望プレイングだが、(ダイナ黒バド対面でダイナは突っ込めなくもないので)これ以外勝てない。BO3とか再戦は無理。
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使用感とか
ごく一部厳しい並びが存在するものの、比較的パワーと汎用性が高いポケモンで固められながらも並びとして強く、ある程度の期間をかけて改良するにつれて構築の対応範囲が広がり、選出を合わせることで多くの相手にそれなりに戦える構築にはできたが、自分が試合内容自体もランクマの潜り方も下手でランクマで結果を出せなかった。
また、選出を合わせれば多くの相手に戦えるということは、選出を合わせられないと簡単に負ける構築であり、噛み合いゲーの域を脱却しきれず、安定感に課題があった。(この点でランクマよりはBO3向きの構築だったのかもしれない。葉桜オフとポケリーグオフを合わせてBO3は7勝1敗)
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あとがたり
バドザシミミを使うと決めてから一定期間考察を重ね、使い込み、それなりの構築にはなり、オフではそこそこ結果を出すことができましたが、ランクマでは結果につながりませんでした。
相当運が良かったとはいえ、それなりの規模のオフの優勝者として相応しい結果を出したいという思いが7月以降ずっとあったのですが、叶わずに悔しいし情けないですね。
剣盾も残り2か月、どこまでやれるかわかりませんが、この構築の試行錯誤が自分の成長につながると信じて、必ずやもう一度結果を出せるように邁進します。
それではまた。何かあれば@bluewhale_1998までお願いします。
10/20追記
LiBornOFFⅢで、本構築のザシアンを臆病カイオーガの潮吹き耐えに変えた構築を使用し、予選ブロック5-1、決勝ブロック0-3でした。
サムネ用